試算表を定期的に出しましょう

売り上げ、経費の支払いなどの個々の取引の数字を集計したものです。日々の取引が正しく帳簿に転記がされたかどうかをチェックするために存在します。誤りがあると、試算表の貸借が一致しません。決算準備のための資料です。

決算期末になって、取引の記帳が間違っていることが分かっても、間違いを遡って探すのは大変です。よって、一般には月次で試算表を作成して途中経過が正しいかを確認します。税理士に経理処理を依頼すると、基本的に毎月、試算表を受け取ることになります。

試算表を定期的に銀行に提出すると、次のようなメリットがあります。

1. 銀行から信頼されます。銀行は貸出先の業績を気にしていますから、会社のビジネスの状況を常に把握したいと思っています。
   
   銀行員は多くの貸出先を担当して、「試算表を出してください」と毎月請求する暇もないのが実態です。
   
   ただ、請求されなくてもこちらから自主的に提出すれば、その姿勢が評価される可能性は高いと思います。数字を粉飾している会社は、できるだけ試算表を出したくないと考えますから、逆に社長の会社の数字は正しいものと信頼され、融資判断に有利に働きます。
    
2. 自社の理解に役立ちます。試算表を定期的に見る習慣がつけば、平均的な数字から大きく増えた、減った科目を一覧できますから、いち早く会社の変化に気づくことができます。
   
   また、銀行に数字を出すことになると、その増減要因から調査しようとするきっかけとなります。

1. 早く、ひんぱんに
   
   試算表は月次で、また、なるべく早く入手したいものです。できれば翌月の真ん中まで、を社内的な締切りにしてください。
   
   ２か月遅れで数字が分かっても、増減要因を分析するのが難しくなります。また、それよりも増減要因が分かったとしても、対処・改善するのには手遅れになっている恐れがあります。
    
2. 銀行に説明する
   
   試算表ができたら、銀行に大きく数字が増減した科目とその原因、今後の見通しなどを説明しましょう。特に数字に動きがないのに、毎月アポを取って説明するまでは必要ないかもしれませんが、月の半ばの企比較的時間に余裕のありそうな時期を見計らって、銀行の担当者と世間話をするのも無駄ではありません。
   
   融資をする、しないの判断は、決算の数字から機会的に行われるものではありませんから、日ごろから接する時間を増やしておくと、いざというときの扱いに差が出てきます。