新規開業に必要な資金は？

２０１１年８月の日本政策金融公庫の調査によれば、日本政策金融公庫国民生活事業が２０１０年４月から同年９月にかけて融資した企業のうち、新規開業後１年以内の企業１，４４３件（個人企業６４.１％、法人企業３５.９％）の平均開業資金は、１，１６２万円となっています。

開業費用は長期的に減少傾向にあり、１９９１年の調査開始以来最も少なくなりました。

また、開業時に不動産を取得したかによって必要資金は大きく変わるので、開業費用の分布を見ると、「５００万円未満」の割合が一番多く、（３９.８％）調査開始以来最大となっています。

この調査によれば、８１.８％の企業は売り上げに関して開業前の見込みとは異なったとしています。最も多かったのは、「思ったより客単価が低かった」の２０.７％で、以下「製品・商品・サービスに対する需要が思ったほどなかった」の１７.０％が続いています。売上げの予想をすることは難しく、抑え目に売上計画を作るのが無難ということになります。

また、７４.７％の企業が、支出に関して開業前の見込みとは異なったと回答しました。最も多かったのは「開業前には知らなかった支出がある」の４１.７％、で、開業前に知らなかった支出の内容を見ると、以下のように税金や社会保険料が多くを占めていて、源泉徴収した所得税３０.７％、健康保険の事業主負担２９.６％、厚生年金の事業主負担２５.４％、機械にかかる固定資産税２０.２％、となっています。これらの支出についても勘案した計画を立てましょう。